2014年4月28日月曜日

ホームパーティー(その2)


聞き手:高原
聞き手:山口
受け手M:モントリオールJCPデザイン増本氏


T:ホームパーティーが少なくなっている現象は、ITの発達なども要因の中に入りますか。

 
MITによるソーシャルネットワーキングで、物理的に顔を合わせなくても家族間の
  連絡がとれるなどの社会的変化が要因であることは間違いありません。私の個人的
  感想ですけれど、地域共同体みたいだった昔と違い、一同集まって話し合う共通要素
  が少なくなっているのではないでしょうか。


 
T:よく理解できました。まったく、日本も同じです。ただ住人の本当の姿を住宅や
  調度品などを見ることによって、表面的 なもの以外の信頼性が確かめられると
  思って、海外のホームパーティーにこだわってしまうのですが。単なる情報交換
  ではなかったと思いますが。
 
 
 
M:仕事の関係はドライです。会社の支出で一番大きいのはサラリー+福祉関係の
  もろもろの税金を含む人件費です。会社が大きくなるほど社員のパーソナリティー
  は見えなくなり、昔のような社員の人格云々は関係ありません。判定は給与に見合う
  実績だけです。


 
T:これは凄い。というより、隔絶の感がします。私などは日本人に生まれて良かったと
  胸を撫で下ろしています。ドライなことから一転、今度は先回ありました、
  インフォーマルな「Get Together」のイメージを教えてください。


 
Mそうですねキーワードは「love!」「kids!」「Mom!」「Dinner!」です。
  まさに現代の「Get Together」の核を言い表しています。
  それは「Family」と聞いて連想する言葉と同じです。
  統計上からみても、北米の若い世代、独身者も家庭人も、心を許した仲間と集まり、
  楽しい食事の団欒を家庭でたのしんでいるようです。


 
T:公私に落差は大きいですね。しかし、安心しましたね。
  やはり家族のシェルターである住宅がこころの拠り所としてあることに。
  もう少し、その辺のところを聞きたいですね。


 
M:大きなスクリーンでスポーツイベントを一緒に観戦したり、ゲームソフトや
    ムービーをダウンロードしているようです。これまた、テレビに出てくる在り方と
    ピッタリ一致しています。もちろん、食事タイムはおしゃべりが大半です。
    集まってくる人も自分の時間に合わせて出入りがあり、インフォーマルな集まりなら
    ではのリラックスしたひと時です。
    木曜日、金曜日の夜、あとは週末が多いですね。


  

Y:私も『Get Together!』の言葉がしっくりくる体験を以前したことがあります。
   バンクーバーにワーキングホリデーに行った友人の家に1週間泊めてもらったことが
  あるのですが、ほぼ毎日その家には数人が、お酒と食べ物を持って集まってきました。
   みんなでTVを見たり、ゲームをしたり、その日にあったことを話したりして
   いました。ほんと毎日!!(笑)ゲストが集まれる共有スペースもあるので、
   人を招いたりすることに全く抵抗がないのだろうなぁ~と、軽いカルチャーショック
   を受けたことを覚えています。招くというような硬い感じではない、まさに
   『Get Together』という感じでした。

 

T:エンターテーメントの出番は日本も良く似ています。ただ、海外の人達の方が、皆で陽気にさわいでいる感じでいいですね。

2014年4月15日火曜日

ホームパーティー(その1)


聞き手T:高原
受け手M:モントリオールJCPデザイン増本氏




T北米では、よくホームパーティーが行われると聞きました。
   職場の上司や同僚とか、又はお客様をお招きして様々な情報を入手するために
  定期的に開催するとも本に書いてありましたが。
 
  日本ではごく身近な間柄だけ家に招きますが、どうもパーティーという感じより
  ~3人でお茶を飲む程度です。
 
   新築直後以外は、人に家をお見せしたいという感覚は一般的ではないようです。
 
 
M:今でも季節毎や宗教の行事そして家族の節目の時には、日頃から前もって計画準備
   したホームパーティーがあり、場合によっては職場の人や特別な人達を招きます。
  これらをフォーマルパーティーと呼んでいます。
 
  高原さんのイメージはこんなものでしょうか。
  
  れに対してインフォーマルなものは現代では「Party」というより
 「GetTogether」と言ったほうがピッタリで、親しい友人や親せきが集まり、
 食卓を中心に楽しいひと時を過ごすことが一般的です。
 集まる人数も2~3人から10人以上と様々です
 
 
  
T:今回のようなテーマは生活習慣を調べてほしいと言っているようなもので、
   答える側としては感覚で語るならいざ知らず、裏付け数値は難しいですね。
   フォーマルとインフォーマルの捉えかたがあるのですね。
   そして今と昔を比べると違いがありますか。
 
 
M:次第に少なくなってきています。
  特にフォーマルなものは少なくなってきています。
    それは「社会現象」とか「家庭」の概念が近年急速に大きく変化してきたことを
    無視出来ません。一世代前と言わずとも、ここ2~3年を考えても明確です。
   
    カナダも結婚7年後には50%のカップルが離婚するというデータがあるように
    家庭の在り方もたえず変化しています。再婚による家族構成の複雑化、
    異なる民族間の家庭などなど、当事者を取り巻く親族関係も複雑になるばかりです。
    女性の職場進出も社会の変化を促進しています。


結婚と離婚に関するデータ
カナダ統計局より

 
T移民のこと以外は日本もよく似てきています。移民の増加も、多様化する婚姻社会
   になり、今までの習慣(ホームパーティーなど)を継続しなくなっているのですね。
   女性の職場進出の目覚ましいことが、準備などの余裕の時間を出来なくなってきてい
   るようですね。
   では生の情報を得るのにホームパーティーに代わる何か存在しますか。
 
 
M:情報を得るのには、「ネットワーキング」という仕組みがあります。
  業者団体や職種の協会そしてネットワーキング業者がパーティーを開催して
  参加者が情報交換をするという傾向にあります。特に大家族といわれるイタリア、
  ギリシャ系カナダ人専用の会場がいくつもあり、私達も会合で使うこともあります。
    
  一般家庭は広さ、予算、準備期間の関係で、ほとんど会場のあるレストランで行います。家で行うのはセミフォーマルと言えるかも知れません。この場合は食事を出張で作ってくれるケータリング業者を利用することもあります。
 

T:さすがに日本とは違い、国際色豊かですね。
  少し残念ですが外国映画に出てくるホームパーティーは、昔の話ということですね。  
   それでは、このテーマでもう少し掘り下げる質問とインフォーマルの雰囲気も
   お聞きしたいので、連載させてください。




『デスパレートな妻たち』より